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星の絵はがきbyえびなみつる

2008年11月号   画家の勇気
 

 ひと晩に数万個の流れ星を見たことがある。2001年、秋のしし座流星雨。
真夜中から降り始めた流れ星の雨は午前3時頃をピークに夜が白むまで続いた。その印象を残して
おきたいと絵を描いてみて気が付いたのは、昔の画家は勇気があったなあ…という事だ。

 天文学の本に必ず載っている流星雨を描いた古い版画がある。たくさんの流れ星とそれを見上げる
人々が描かれているのだが、その流れ星の一個一個が空の一点からシャワーのようにカーブを描い
て表現されているのだ。本物の流星雨を見るまで、あの絵は昔の画家の素朴な誇張なのだとばかり
思っていた。でも、今はちがう。あの夜の光星を思い出した時、あの版画こそがリアルな記録だった事
がよくわかるのだ。写真が無かった時代、誰にとっても"生まれて初めて"経験する現象を絵に残そ
うとした画家の、精いっぱいの工夫と勇気があの版画なのだ。

 ボクには自分が描いたこの絵に、あれほどたくさんの流れ星を描きこむ度胸はない。

©えびなみつる

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